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ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 17d0244 4

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17- D- 0244 201 7 年 6 月 2 7 日

通信大手各社の 17/ 3 期決算の

注目点

通信大手各社(日本電信電話、K DDI、NT T ドコモ、ソフトバンクグループの 4 社)の 17/ 3 期決算および 18/ 3 期業績予想を踏まえ、株式会社日本格付研究所(J C R)の現況に関する認識と格付上の注目点を整理した。

1. 業界動向

国内移動系通信における 3 社(K DDI、NT T ドコモ、ソフトバンクグループ)の契約数合計は 17/ 3 期末 1 億 6, 609 万件と前期末比 3. 5%増となった。人口普及率は 100%を超えているものの、依然として契約数は増 加を続けている。ただし、これらの契約の中には個人が電話番号を使用している主要回線以外にデータ専用 回線や MV NO(仮想移動体通信事業者)向け回線なども含まれている。これらの契約は A RPU(1 契約当た りの月間収入)が低く、収益への貢献は少ない。収益面からは主要回線の契約数が重要になるが、既にかな り普及しており、今後の大きな伸びは期待できないだろう。なお、3 社のうちソフトバンクグループのみ契 約数が純減となっているが、これは通信モジュールや PHS など積極的に契約獲得を行っていないサービスの 減少が主因であり、主要回線は純増を維持している。

MV NO の契約数が増加している。MV NO とは通信インフラを他社から借り受けてサービスを行う通信事 業者であり、既存通信会社に比べ割安なサービスを提供している。MV NO サービスの契約数(SIMカード型、 総務省調べ)は 16年 3月末に 599万件であったものが 16年 12月末には 807万件まで増加し、普及率は 5. 3%(移動系通信に占める SIM カードを使用した MV NOサービスの割合)となっている。マスコミなどで 紹介されるケースも増えており、ユーザーの認知度は高まっている。携帯電話料金を高いと感じているユー ザーは多く、MV NO サービスに対する潜在的な需要は大きいと言えよう。既存通信会社としても MV NO の 影 響 を 無 視 で き な く な っ て い る 。 ソ フ ト バ ン ク グ ル ー プ で は 、「 ソ フ ト バ ン ク 」 ブ ラ ン ド と は 別 に 「Y ! mobile」ブランドで割安な料金の通信サービスを提供し、契約獲得は好調に推移している模様である。 K DDI では、グループ会社で展開する MV NO サービスを積極化させている。

2. 決算動向

各社とも高水準の利益を維持しており、3 社(日本電信電話、K DDI、ソフトバンクグループ)合計の営業 利益は 3 兆 4, 786 億円と前期比 12.6%増となった。MV NO との競合や割安な料金プラン(大容量のデータ通 信プランなど)の導入などマイナス要因はあったものの、付加サービスの拡販や販売関連費用の削減がプラ ス要因となった。日本電信電話では、長距離・国際通信事業で海外子会社がやや苦戦したものの、減価償却 方法の見直しやコスト削減により地域通信事業、移動通信事業が増益となり、営業利益は 1 兆5, 398 億円と 過去最高水準となり、当社に帰属する当期純利益(純利益)は 8, 001 億円と過去最高益を更新した。K DDI では、A RPA (1 契約者当たりの月間収入)の成長やモバイル ID 数(au 契約者数+MV NO 契約数)の増加に よりモバイル通信料収入が増収となるなど営業利益は 9, 129 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益(純 利益)は 5, 466 億円と、ともに過去最高益を更新した。ソフトバンクグループでは、スプリント事業の収益 改善もあって営業利益は1 兆 259 億円、アリババ株式の売却益も加わり純利益は1 兆 4263 億円と、ともに 過去最高益を更新した。

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トバンクグループはアリババ株式を中心に多額の上場有価証券を保有しており、財務上のバッファーとして 評価している。

3. 決算に

格付上の

注目点

18/ 3 期も業績は順調に推移すると想定している。各社とも一定規模の契約数と A RPU(またはA RPA )を 維持することで高水準の収益を維持するであろう。ただし、MV NO との競合状況については引き続き注意が 必要であると考えている。現状、木目細かいサービスやブランド力など既存通信会社の優位性に大きな変化 はなく、業績への目立った影響は生じていない。しかし、MV NO の普及は徐々に進んでおり、ユーザーの認 知度がさらに高まり、普及が加速する可能性も否定できない。MV NO との競合が激化し、既存通信会社の割 安なサブブランドやグループ会社で展開する MV NO へ契約がシフトすることや自らより割安な料金を導入 することも考えられる。

主要回線の増加が期待しにくくなる中、各社とも付加サービスの充実に注力している。NT T ドコモでは、 コンテンツサービス(動画配信など)、金融・決済サービス、あんしん系サポートなどをスマートライフ領 域と定義し、事業拡大に注力している。スマートライフ領域の営業利益は 17/ 3 期に 1, 119 億円となり、18/ 3 期には 1, 300 億円を計画している。通信サービスは、プラン、料金、端末、通信品質などにおいて各社とも 大きな差がなくなっているが、付加サービスについては工夫の余地が大きく、差別化の要因になる可能性が ある。成長力を維持すると同時にサービスの競争力を強化する点からも付加サービスの充実が課題となる。 なお、ソフトバンクグループでは、国内通信事業以外にもスプリント事業(米国での携帯電話事業)、ア ーム事業(17/ 3 期に約 3. 3 兆円で買収した半導体の設計事業)など海外を含めた多様な事業を展開している。 加えて 10 兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立し、投資事業も積極化させる方針であ る。特にスプリント事業の経営改革やファンドによる投資動向、アーム買収により悪化した財務指標の改善 状況に注目していく。

(担当)千種 裕之・本西 明久

(図表1)通信大手各社の連結業績の推移 (単位:億円、%、倍)

売上高 ( 営業収益)

営業利益 EBI TDA

EBI TDA マージン

純利益 ネット 有利子負債

自己資本 総資産

ネット 有利子負債

/ EBI TDA

自己資本 比率

ネット DER

日本電信電話 16/ 3 期 115, 409 13, 481 32, 779 28. 4 7, 377 30, 750 88, 338 210, 359 0. 9 42. 0 0. 3 (9432) 17/ 3 期 113, 910 15, 397 31, 833 27. 9 8, 001 31, 630 90, 524 212, 503 1. 0 42. 6 0. 3

18/ 3 期予 117, 500 15, 900 31, 900 27. 1 8, 300 - - - - KDDI 16/ 3 期 44, 661 8, 325 14, 109 31. 6 4, 948 10, 430 33, 086 58, 806 0. 7 56. 3 0. 3 (9433) 17/ 3 期 47, 482 9, 129 15, 242 32. 1 5, 466 9, 250 35, 544 62, 638 0. 6 56. 7 0. 3

18/ 3 期予 49, 500 9, 500 15, 300 30. 9 5, 650 - - - - NTT ドコモ 16/ 3 期 45, 270 7, 830 14, 632 32. 3 5, 483 - 1, 322 53, 022 72, 141 - 73. 5 - (9437) 17/ 3 期 45, 845 9, 447 14, 634 31. 9 6, 525 - 677 55, 306 74, 530 - 74. 2 - 18/ 3 期予 47, 500 9, 600 14, 800 31. 2 6, 550 - - - - ソフトバンク 16/ 3 期 88, 817 9, 089 23, 251 26. 2 4, 741 92, 483 26, 136 207, 071 3. 8 12. 6 3. 5 グループ 17/ 3 期 89, 010 10, 259 25, 644 28. 8 14, 263 112, 076 38, 177 246, 342 4. 2 15. 5 2. 9

(9984) 18/ 3 期予 - - - -

16/ 3 期 248, 887 30, 895 70, 139 28. 2 17, 066 133, 663 147, 560 476, 236 1. 9 31. 0 0. 9 3 社合計 17/ 3 期 250, 402 34, 785 72, 719 29. 0 27, 730 152, 956 164, 245 521, 483 2. 1 31. 5 0. 9

18/ 3 期予 - - - -

(出所)各社 IR 資料より J C R 作成

※ 3 社合計の対象は、日本電信電話、K DDI、ソフトバンクグループ。

※ 純利益は親会社の所有者に帰属する当期利益または当社に帰属する当期純利益。 ※ 18/ 3 期予想は各社が公表している数値。

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【参考】

発行体:日本電信電話株式会社

長期発行体格付:A A A 見通し:ネガティブ

発行体:株式会社 NT T ドコモ

長期発行体格付:A A A 見通し:ネガティブ

発行体:ソフトバンクグループ株式会社

長期発行体格付:A - 見通し:安定的

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、

的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また

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■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■本件に関するお問い合わせ先

参照

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